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笑顔の為に魂込めて
花火師 辻 博さん

2011年7月22日UP | 2011年, Top



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打ち上げの準備に取りかかる辻さん。17日、長野県で
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平塚市内の自宅兼オフィスで連発式花火のプログラムを組む


 どーんと一発打ち上がり「たまや」と声があがるのは昔のスタイル。今日の主流は音楽に合わせた連発打ち上げ。如何に夜空を美しく彩るか。コンピューターを駆使し、10分の1秒の世界でプログラムされる現代の花火。
 花火の玉を作る火薬職人ではなく、花火大会での打ち上げに関する全般をプロデュースする仕事。そんな花火師に平塚市内で出会った。アルバイトで家計を支えながらも、人生を花火に注ぐ夜空のアーティスト。


 使用する花火の仕入れ、仕込み、打ち上げ順序の組み、導火線の調整・連結、現場での着火などを手がける花火師。辻 博さん(39)は豊原町在住。火薬を取り扱う作業場となる販売営業所は千葉県にあるが、平塚市のオフィスでは打ち上げ順序のプログラミングや営業を行っている。
 県内・都内を中心に活動する辻さんは、海沿いの湘南地域では葉山から湯河原までただ一人の花火師である。

出会い

 花火師の家系でもなく、縁があったわけではない。中学高校大学とトライアスロンで活躍し、湘南地域では負け無しというほどのスポーツマンだった。大学卒業後は福祉施設へ就職。その施設で行われた夏祭りで花火の魅力を知った。普段の施設の生活ではなかなか笑ってもらえなかった人たちが笑顔になる。「花火ってすごい」。そこで知り合った花火師の手伝いから始めた。そのうちに大きな現場を任せてもらうようになり本格的に花火師の道へ。「人を喜ばせる花火に一生を捧ぐ」。福祉施設は退職し、1年前に独立した。

捧ぐ

 「いきなり食べていけるわけではありませんので、アルバイトをしながらですよ」。3人の女の子のパパでもある辻さん。家計のため福祉施設では非常勤として夜勤で働き、それでも足りなければ倉庫でフォークリフトに乗る。「フォークリフトはプロ並みです」と笑顔。
 何としても花火師として生きる。「人を喜ばせることが好きなんですね。花火はそこに直接関われる。きっとみんな笑顔になってくれているんだろうなって想像しながら打ち上げてます」
 花火師人生はまだ始まったばかり。今年から玉の製作も始めるという。夢は自分が作った玉だけで構成する花火を打ち上げること。そして地元平塚の花火大会を手がけること。