PAGE TOP ▲

バニューシネマパラダイス:シーン119『半世界』

0308 映画
『半世界』(2018年/日本)
監督・脚本:阪本順治
出演:稲垣吾郎/長谷川博己/池脇千鶴 他
今後の上映は、公式HPをご確認ください。
 掲載する頃には劇場公開を終えているかもしれないが、40〜50代の読者の方には、機会があれば是非観てほしい。稲垣吾郎演じる高村紘は、とある地方都市で親から継いだ製炭所を細々と営む40歳目前の男。中学生になる息子が進学の意欲もなく素行不良の友人とつるんでいる件をめぐって、妻との仲もギクシャクしている。そんな中、幼馴染で海外派遣から戻った自衛隊員の瑛介が帰郷したことで、もう一人の友人で父と共に中古車販売店を経営する光彦をくわえた三人の友情が再燃する。田舎町に根付いて生きている紘と光彦と、郷里を離れ戦地に赴いた瑛介とは明らかに生きる世界が違う。瑛介は紘に向かって「おまえは世界を知らない」となじる。しかし、紘や光彦の抱える家業の継承や親子の確執も「世界」に違いない。瑛介との再会をきっかけに、紘は息子と向き合い始める。紘の「世界」も瑛介の「世界」もどちらも地続きで、見て見ぬ振りをしてはいけない現実なのだ。いい歳をした男が三人揃うとガキに戻る姿に、地元で50歳まで生きてきた僕自身を重ねていた。
kiyoto01
文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。オリジナル小説『躍る六悪人』全国書店にて絶賛発売中!