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地域での災害時の助け合い
避難が困難な人を支える「避難行動要支援者登録制度」

2019年3月8日UP | headline, Top

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 東日本大震災から8年。その後も地震や水害など数々の大きな災害が相次ぐ中、自助や共助の大切さが指摘されている。障がい者や高齢者など、自力で避難することが難しい人を地域で支える仕組みとして平塚市が設けているのが「平塚市避難行動要支援者登録制度」。しかし様々な課題があり、登録した人は想定より少ない。その中で工夫を重ねながら取り組んでいる2つの地域で話を聞いた。

 災害が起きた際、あなたの周りに一人で避難するのが難しい人がいるかもしれない。そうした人の情報を自治会や地域の身近な相談相手として必要な支援を行うボランティアである民生委員・児童委員(民生委員)などで共有して、少しでも被害を減らそうという同制度。対象者は自治体により異なり、平塚市は、65歳以上の高齢者と障がい者で条件に該当する人と要介護3以上の人の中で、支援を必要とする人などとなっている(施設入所者は対象外)。対象者は約3万5千人と想定されるが、登録者は約10分の1の3,534人(今年1月7日現在)。市では、実際は避難時に支援の必要な人がさらにいるのではないかと見ており、民生委員や自治会役員らが支援が必要と思われる人にこの制度を知らせて登録に結びつくケースも多い。

支援が必要な人を見つける
 そこで、そうした人が地域の中でどこにいるのかつかむことが大切になってくる。平塚市須賀新田自治会では、平成22年度から世帯ごとの「安否確認カード」を作成。家族の名前に加え「70歳以上」や「(避難の際に支援が必要な)要援護者」がいれば一目で分かるようになっている。個人情報の収集が難しい昨今だが、現在は自治会に加入する約160世帯全てが提出、毎年更新しているという。 
 この仕組みを始めた当時の自治会長藤嶋武憲さん(75)は「カードを安否確認に必要な最低限の内容に絞った。更新もしやすい」と話す。同地区の民生委員川野春美さんは「カードから支援の必要な人が分かるので助かります」と言い、そうした人を訪問して市の制度への登録を呼びかけている。

支援者確保のために
 一方で避難支援者を確保することも課題である。支援を頼まれる側が「災害時に絶対に助けなければいけない」と考えてしまい、責任や負担の重さにためらってしまうケースがあるという。市では、義務を伴うものではなく、自分や家族の安全が確保されてからできる範囲で安否確認などをする内容と説明している。
 それを分かりやすく支援者に伝えているのが、平塚市北部の大神地区で使われている「大神安心カード」。支援の内容として①安否の確認②災害情報の伝達③避難所へ避難誘導、さらに「出来ればお願いしたい支援」として簡易救助救護などが記載されている。
 またカードには、登録した要支援者と、支援者や民生委員・自治会役員らを記載し、要支援者と支援者が共有する。大神地区の民生委員の代表小瀬村春雄さん(75)は「カードを見れば、支援者が自分一人で全部負わないといけないわけでなく、みんなの関係の中で動けばいいと分かるので、支援者を確保できる場合が多い」とカードの意義を語っている。
 小瀬村さんによれば、東日本大震災の際、ある民生委員が一人暮らしの高齢者宅の様子を見に訪れたところ、非常に不安だった様子でとても安心してもらえたという。
 災害時には、自分が助ける側にも助けられる側にもなりうる。だがそれは、普段から顔の見える関係ができていればこそ。今年もまた3月11日を迎えるのを機に、まずは日頃のあいさつや地域の防災訓練・イベントに参加するなど、自分にできることから始めてみてはどうだろう。

◇同制度の登録手続きに関する問い合わせ=市福祉総務課など☎︎23-1111(代)
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