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バニューシネマパラダイス:シーン116『マスカレード・ホテル』

映画連載_190125
『マスカレード・ホテル』(2019年/日本)

監督:鈴木雅之 脚本:岡田道尚
出演:木村拓哉/長澤まさみ 他
シネプレックス平塚ほか全国公開中。
一つの場所に集まった人々の人間模様が同時進行するドラマを、同名のクラシック映画に因んで「グランドホテル」形式と呼ぶ。近年では三谷幸喜監督『THE 有頂天ホテル』がこれにあたるが、本作も同じフジテレビ制作による同趣向の作品だ。豪華キャストの顔見世興行のようで、実を言えばさほど期待していなかったのだが、これが面白かった。『有頂天』がそれぞれのエピソードの関連性が薄く「点」としてドラマが展開していくのに対して、本作は「ホテルの中で殺人を企てる犯人と被害者を宿泊客の中から見つけ出す」という命題があることで連続性が途切れない。また、潜入捜査のためホテルマンになりすました刑事の木村拓哉と彼の教育係を凛として演じる長澤まさみ(美脚も見どころ!)とのバディ感も楽しい。松たか子の登場は、木村との共演ドラマ「HERO」への目配せだろうが、木村&長澤コンビとの対比に皮肉が効いていてよい。終盤で描かれる幻想シーンは、僕が大好きな映画『フィッシャー・キング』へのオマージュだろう。『有頂天』以上に、「グランドホテル」形式の血統を感じた。
kiyoto01
文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。オリジナル小説『躍る六悪人』全国書店にて絶賛発売中!