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バニューシネマパラダイス:シーン115『来る』

0111 映画
『来る』(2018年/日本)

監督・脚本:中島哲也 脚本:岩井秀人/門間宣裕
出演:岡田准一/黒木華/松たか子 他
シネプレックス平塚ほか全国公開中。
正月映画にオカルトを持って来るあたり、興収トップを走る東宝の自信のほどが伺える。と思いきや、監督はあの極悪エンタテインメント『告白』の中島哲也だから、単なるオカルトではない。開巻早々、多少の脅かしはあるが、およそ40分くらいは妻夫木聡と黒木華演じる若夫婦の結婚から子育てに至る日常が展開する。一見、平穏、幸福に満ちた暮らしの中に、子育てを契機に鏡がひび割れるようにピキピキと夫婦の間に亀裂が生じてゆく。圧巻は、イクメン気取りでブログに子煩悩なコメントを書き込みながら目の前の育児に無関心な妻夫木と、従順で温厚な妻に見えて内面にマグマのような憎悪をたぎらせてゆく黒木。子育てをした親ならば、身につまされる。そこに、魔が差す。得体の知れない憎悪が夫婦と子を襲い、スーパー霊媒師松たか子と小松菜奈姉妹でも邪悪な「なにか」を抑えきれず、全国の霊能力者が結集して壮大なお祓いイベントが展開される。出色は柴田理恵演ずる霊媒師。風采の上がらない外見とは裏腹に実は凄腕という「刑事コロンボ」的な異彩を放つ。
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文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。オリジナル小説『躍る六悪人』全国書店にて絶賛発売中!