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中秋蒲鉾店が「匠の店」に認定 創業95年、変わらぬ味を守る

2018年12月3日UP | NEWS

1130 2面 匠の店手作業にこだわり、伝統的な技や高い技術力で製品を自社製造、販売する店舗を平塚市と平塚商工会議所が認定する「ひらつか匠の店」事業において、紅谷町の株式会社中秋蒲鉾店(中村彰伸代表取締役)が今年度の認定店に選ばれた。
 大正12年に創業した同店は、さつま揚げやつみれなど30種類の練り物を今なお手作業で製造している。旬の素材などを使い新しい商品の開発にも取り組んでいる点、良質な商品を提供している点、知名度の高さ、市内外からの集客力などが高く評価され今回の認定に繋がった。
 4代目として店を切り盛りする中村さんは認定を受け「個店の繁栄が駅前の盛り上がりに繋がると思う。今後も手作業の強みを発信していきたい」と抱負を語った。
 大学卒業後、大手企業に就職し岡山県倉敷市で働いていたという中村さんは8年前、祖父の死をきっかけに平塚に戻ってきた。「店が厳しいのはわかっていたが、何とか残したいと考えた」と当時を振り返る。父には「(自店より)よっぽど良い会社にいるだろ。無理して継ぐことはない」と言ってもらえた。だが中村さん自身は「生まれた時から店はあって、なくしちゃいけないなと。いずれは店を継ぐことは考えていた」とおぼろげながらも故郷に帰る覚悟を決めていた。
 店を継ぐため中村さんは日夜さつま揚げづくりの修行に励んだ。「直接指導を受けたわけではないが、毎日店が終わった後に練習してきた」という。素材にもこだわる。「7割ぐらいは豊洲から仕入れたカジキマグロやイトヨリダイなど5〜6種類の魚を混ぜます。残りは地場産の魚。市場価値の低い、小さいイサキなんかを手作業で捌いて使います」。時間はかかるが、店の味を守るため手間は惜しまない。現在は経営のトップとして、従業員らを引っ張っていく立場にもある。「人を使う難しさもあるが、トップが前向きに頑張らないと。誰よりも早く出勤して誰よりも遅く帰る。大変だけどみんな以上に頑張らないと」と奮闘している。
 当面の目標は店舗数の拡大。「母方の祖父の家が八幡にあって、バスも通るし車でも来てもらえそうだし、そこが店にならないかな」と考えているという。今回の認定でまた新たなチャレンジが始まる。「食べて美味しい、見た目に綺麗、口に入れた瞬間、明らかに他とは違うものを目指す。日々精進」と笑顔を見せた。