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バニューシネマパラダイス:シーン109『響 -HIBIKI-』

0928 映画連載
『響 -HIBIKI-』(2018/日本)

監督:月川翔 脚本:西田征史 
出演:平手友梨奈/北川景子/アヤカ・ウィルソン/柳楽優弥/小栗旬 他
シネプレックス平塚ほか全国公開中。
昨年末の紅白歌合戦をご覧になった方なら、ご存知だろうが、欅坂46のメンバー三人がパフォーマンス中に過呼吸を起こして倒れた。ただでさえハードな集団ダンスが売りのグループに司会のウッチャンが、参加するというネタだけのために二度も踊らせたのだ。ウッチャンは一回だし、五十代の割にはスタミナもあるだろうが、十代の全力投球の少女たちにはちと過酷過ぎやしないか。倒れた少女のうちの一人が、本作の主人公・鮎喰(あくい)響を演じた平手友梨奈である。グループの中でもその憑依的なパフォーマンス力で人気を博している。響は、読書と小説を書くことだけが生きがいの少女。腕試しのつもりで応募した小説が文壇を騒がせ、芥川・直木賞レースに身を投じてゆく。映像で小説家の才能を描くのは難しい。それ故、本作は無垢でエキセントリックな響が、世界と自分との距離を測りあぐねて足掻く姿を、暴力という自己表現に転じてみせる。飛び蹴りに、CGなしの屋上ダイブ、時折、見せるあどけない素顔も含め、平手という少女の肉体が全力で息衝いている苛烈な青春劇である。
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文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。オリジナル小説『躍る六悪人』全国書店にて絶賛発売中!