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子どもの学びに寄り添うボランティア
市内で学習支援活動広がる

2018年9月10日UP | headline, Top

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 主に小・中学生を対象に、地域のボランティアが無料または教材費程度で勉強を教える学習支援団体が増えている。平塚市内には以前から活動する団体があるが、ここ数年でさらに広がりを見せ、現在は市民活動団体や各地域の福祉村が実施するものなど10カ所あまりとなっている。先月には、平塚八幡宮での「八幡宮の寺子屋」がスタート。携わる人たちはどのような思いで活動を始めたのか。またすでに実施してきた団体は、どのような課題を抱えているのだろうか。

 月1回の「八幡宮の寺子屋」を主催するのは平塚市のNPO法人未来経験プロジェクト。この団体では子どもが地域の人と繋がりを築ける場を作りたいと考え、子どもだけでも入れる「朝ごはんこども食堂」を平塚市明石町で今年1月から実施している。より小・中学生が集まりやすいようにと、4月には金目公民館で「金目の寺子屋」を開始。同様の活動を市内中心部でもできないかと模索していたところ、平塚八幡宮の宮司らが活動に賛同し場所を提供してくれることになった。
 初日の20日に参加した子どもは地元以外からも含め小・中学生合わせて6人。市役所職員らなどのボランティアが見守る中、持参した問題集などに取り組み、小学2年の女子児童は「みんなでいると楽しくお勉強できた」と笑顔を見せていた。同プロジェクトの堤 園子さんは「小・中学生のほかに、通信制の高校生や高等学校卒業程度認定試験を目指す大人なども受け入れたい」と話している。

学校と協力する寺子屋
 堤さんがこうした活動を始めるにあたり、土台となったのは「子ども学習支援グループ 須賀の寺子屋」での経験だ。この団体は約2年前に設立され、現在は共催となった市立太洋中学校を会場に月2回開催している。
 代表の大野 文さんは、ガールスカウト活動を続け、地域でも自治会など様々な役員を担い、9年前からは保護司として保護観察中の人の更生を支えている。その長年の活動の中で、家庭の事情などで1人で学習することが難しい子どものつまずきを少しずつでも解消できれば、自己肯定感が育つのではと考え、協力してくれる人たちと共に寺子屋を立ち上げた。
 1年を通して開催された昨年度は、20回開催で小学生がのべ97人、中学生が362人参加。小中で時間を分け、いずれもマンツーマンの形で学習に取り組む。
 ボランティアのうち学習支援員は約30人。定年退職後の地元シニア世代のほか、若手の社会人、大学生らが参加し、子どもが何をしたいのか受け入れて寄り添う支援を目指す。中学生については個人の学習記録を付けており、寺子屋での学習内容や生徒が理解できていない点など学校とも情報を共有している。
 子どもによっては寺子屋に通ううち休みがちだった学校にも毎日行けるようになったり、高校に進学した生徒が「学校行ってるよ」と笑顔で声をかけてくれたりすると「寿命が延びるほど嬉しいです」という。何より子どもが持つ大きなパワーが、大人を元気にしてくれると大野さんは力を込める。

より多くの子に学習支援を
 順調に活動を続ける須賀の寺子屋だが、学習支援員や活動資金の確保、さらに教材作りに頭を悩ませる。ほかにも同様の課題を抱える学習支援団体があるという。そこで市内の5団体(当時)が、昨年12月「ひらつか子ども学習支援ネットワーク」を結成。ボランティアや各種助成金についての情報交換、運営の人手が足りない団体のサポートを行っている。
 大野さんは、生き生きと学習に取り組む子どもたちの様子に、大人が少し手助けすれば意欲が持てるようになる子どもがもっといるだろうと感じ、「手を差し伸べないでいるわけにいかない」との思いを強くしている。ネットワークでは、市内でこうした活動がさらに増えるよう、活動を始めたいと考える人の相談も受けている。
 「たくさんの人が関わると子どもの人生が豊かになる」と話す大野さん。地域の大人と子どもが関わる場として、学習支援が大きな役割を果たしている。

◇八幡宮の寺子屋
第1月曜日18時~20時、平塚八幡宮。問い合わせ=堤さんmirai.keiken@gmail.com
◇須賀の寺子屋
第2・第4木曜日16時30分~17時30分(小学生)19時~20時30分(中学生)、太洋中学校体育館。問い合わせ=大野さんsukanoterakoya@gmail.com

【写真】
1)須賀の寺子屋の様子(提供)
2)子どもを笑顔で迎える堤さん
3)ボランティアが作ったカレーをみんなで食べる