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緑と青の旅:vol.3 ベルマーレの強み、選手育成の大切さ

2018年7月2日UP | コラム, 緑と青の旅

0629緑と青の旅
 4年に一度のW杯に世界中が熱狂しています。世界のサッカー人口は約2億5000万人と言われていますが、そう考えればなおさら、出場する32チームの代表メンバーに選ばれるわずか736人の選手というのは、まさにひと握り中のひと握りということになります。
 今回のロシア大会に出場する日本代表選手に、残念ながら湘南ベルマーレの選手はいませんが、メンバー発表の当日、リストの中に「遠藤 航」という名前を見つけた時には、自チームの選手が選ばれた時のような喜びを感じました。
 遠藤選手は2015年まで、ユース(高校生)時代を含めて8年間ベルマーレでプレーしました。驚いたことに中学までは全くの無名選手。曺貴裁監督が中学3年の時に中学校のサッカー部でプレーしていた彼を見出し、ユースの練習に参加させたことをきっかけに扉が開かれていきました。「彼の存在は多くの人を勇気づけると思う。努力をすることで自分の未来を切り開いていけることを証明してきた」と曺監督が語るとおり、真摯にサッカーと向き合い、幾多の壁を越え、W杯まで辿りついた選手なのだと思います。
 ベルマーレのアカデミー(育成組織)で育った選手たちは、トップチームではもちろん、多くのJリーグチームで活躍をしています。クラブが存続危機となった1999年、「今は育成部門に力やお金をかけるときではない」といった声に真っ向から反対したのが現会長の眞壁 潔でした。「地域に生かされたクラブが地域の子どもたちを大切にしないでどうするんだ」と周囲を説得。以来18年間、その信念が揺らぐことはありません。選手を育成するには時間がかかります。根気も、そしてお金も必要です。だからこそ育成に情熱を傾け続ける必要があるのです。無名だった選手がロシアの地で戦っている、なんという夢のある話でしょうか。
 50周年史では、ベルマーレのアカデミー出身の選手5人に話を聞きました。インタビューの最後に「あなたにとってベルマーレとは?」という質問をしてスケッチブックに答えを書いてもらうと、面白いことに5人とも同じ答えでした。スケッチブックには「原点」という二文字が書かれていました。
50周年史では二人の対談を実施。遠藤航選手(右)と菊池大介選手
TEXT:遠藤さちえ(湘南ベルマーレ)