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緑と青の旅:vol.2 中田英寿とベルマーレ

2018年6月18日UP | コラム, 緑と青の旅

0615 緑と青の旅02
 一般的な印象とは違うかもしれませんが、「中田英寿さんってどんな人?」と聞かれると、今も昔も変わらずに「思いやり深く優しい人」と答えます。クールなように見えて常に気配りを忘れない温かさがあり、人と違うようでいて普段は漫画が好きな普通の青年でした。
 ベルマーレ在籍時、スタッフルームの前にある4畳ほどの部屋は一時期、ヒデ専用のプレゼント部屋となっていました。「ヒデラー」なんていう言葉もできたくらい、大変な人気を博した1998年頃、プレゼントや手紙が毎日ダンボールで何箱も届きロッカールームには入り切らなかったのです。その部屋でよく手紙を読みふける姿を見ました。遠征に出かける時には「手紙を読めるチャンスだから」とスーツケースに手紙を詰めて持っていくような人だったのです。
 ただ、サッカーとなると話は別。ひとつひとつのプレーへのこだわりや高みを目指し実現するために努力を続ける姿はやはり別格だったと思います。18歳から22歳までをベルマーレで過ごし、1998年のフランスW杯後にイタリア・セリエAへ。以降ずっと海外でプレーを続け、W杯に3度出場し惜しまれながら引退しました。Jリーグでプレーしたチームはベルマーレだけでした。
 ひとつ忘れられないのは、TVのインタビューで「プレーしているのは人のためではなく自分のため」といった発言をした時のこと。放送ではその部分しか流れなかったのですが、真意はこうでした。「自分のプレーによって誰かが喜んでくれたら、自分が嬉しい。誰かのためにプレーしてあげてるんじゃない、人が喜んでくれたら自分が嬉しいから、だから自分のためなんだ」と。私はその言葉にハッとさせられ、仕事をする上で大切なことは何か、ということを自身に何度も問い直すなど大きな影響を受けました。
 「クラブ創立50周年史」の取材で再会した昨年も変わらぬ優しい笑顔で迎えてくれました。インタビュー中、「キャプテン翼に影響を受けた」という話があったのですが、一体キャプテン翼の登場人物の誰に影響を受けたのでしょう。意外な言葉に一同爆笑。その理由がまたヒデらしいものでした。答えはぜひ本誌でどうぞ。
50周年史インタビュー時の写真。インタビュアーは金子達仁さん。
TEXT:遠藤さちえ(湘南ベルマーレ)