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若い母を支えるネウボラの存在
平塚市子育て世代包括支援センターの取り組み

2018年5月26日UP | headline, Top

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 平塚市子育て世代包括支援センター「ひらつかネウボラルーム はぐくみ」(平塚市東豊田448-3、☎︎59-9570)が昨年4月にオープンしてから1年が経った。だがそもそもネウボラとはなんのことで、その場所すら知らない人もいるのではないだろうか。今週は知られざる子育て世代の支援拠点にスポットを当てた。

 改めてネウボラとはフィンランド語で「相談やアドバイスの場」という意味をもつ、妊娠から出産、子どもの就学までの間、母子とその家族を切れ目なく支援することを目的にした拠点のこと。フィンランドでは1920年代に民間の有志の手で始められた支援活動で、現在では国によって制度化され、国内に約800のネウボラがあるという。これらをモデルに日本国内でも妊娠・出産包括的支援事業が各自治体で行われており、これらを例に平塚で始められた事業が「ひらつかネウボラルーム はぐくみ」というわけだ。昨年度は当事者だけでなくパートナーや家族などを含めて3,000人以上がネウボラを訪れた。

ネウボラの4つの仕事
 具体的にはどのような特徴があるのか。まず第1に「専任性」であること。ネウボラのスタッフは事務職だけではなく、保健師や保育士、助産師などのエキスパート。ベテランのスタッフを配置することで、来訪者との短い時間のやり取りでも的確に不安や悩みを解決できるという。次に「専用の部屋」を設けた。他の自治体では役所のカウンターにネウボラとしての機能を持たせているケースもあるが、はぐくみでは明るく、落ち着いた雰囲気に会議室を模様替え。これによってプライバシーが守られた空間を整えている。さらに妊婦全員と個別面談をする「全数面談」を行なっている。平塚で母子手帳が交付される場所ははぐくみだけ。不便にも聞こえるが窓口が一本化されたことで妊娠出産に関する指導や情報提供が確実に行えるようになった。「オープンが平日のみ」というのも特徴。休日に、という要望は多い。だが平日にすることで病院や役所の他部署との連携を迅速かつ緊密にとることができるという。

選ばれるために
 市は2016年から「手を繋ぎたくなる街 湘南ひらつか」をスローガンにシティプロモーションを進めており、落合克宏市長も折に触れて「子育て世代に選ばれるまちに」と訴え続けている。2017年には4歳以下の転入超過数が241人で県内1位となるなど、一定の成果をあげているように見える。もちろん、ネウボラの存在だけがその要因ではなく、むしろそれ以外の要素も大きいだろう。だが耳障りの良い言葉で転入を促し、いざ平塚市民になってみて暮らしにくい、生活しにくいようでは本末転倒。外から平塚に住まいを移した人に5年10年、あるいはそれ以上の長きに渡って平塚を選び続けてもらうには下支えがしっかりしてこそ。一見地道な、あるいは市民サービスとして当然とも取られる日々の活動こそが、平塚が“選ばれるまち”であり続けるためには大切だ。

この記事は湘南ケーブルテレビ局(SCN)との共同企画により制作しました。湘南チャンネル(CATV002ch)で放送中の「情報カフェ! 湘南館ワイド」では、井手アナによる妊婦体験の様子や担当課へのインタビューをお送りします。今回の番組は5/28(月)まで放送中(12時~12時40分、19時~19時40分ほか)。
【写真TOP】通常は男性が行う妊婦体験をSCN井手アナも体験
【写真下】ネウボラでもらえる資料の数々。お父さん向けのものも多/い母子手帳は日本語に加えて8言語を用意している/ネウボラ室内の様子。プライバシー対策も万全/ネウボラがある平塚市保健センター外観