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大磯の地で連綿と続く国府祭
今年は天皇陛下即位30年記念で6神社の大神輿集う

2018年4月28日UP | headline, Top

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毎年5月5日、大磯町で「国府祭」という大きな祭礼が行われる。旧相模国の有力な神社が集うもので、千年以上続くと言われている全国的にも珍しい祭である。今年は天皇陛下の即位30年記念事業として参加する6つの神社全ての大神輿が初めて揃い、これまでにない壮観な光景が見られるという。今回は地元で長きにわたって続いている見所の多いこの祭礼を紹介する。

 始まりは千年以上前、相模国の行政の長である国司が天下泰平と五穀豊穣を神々に祈願したものと言われている。県の無形民俗文化財に指定されており、国府地区の神揃山と逢親場(または大矢場)での祭礼には、一之宮である寒川神社(寒川町)、二之宮の川勾神社(二宮町)、三之宮の比々多神社(伊勢原市)、四之宮の前鳥神社(平塚市)、平塚八幡宮、そしてこれらの神々を合わせて祀る社である総社の六所神社(大磯町)の神輿が集まる。そこでは数多くの神事が執り行われる。

座問答と鷺の舞
 中でも有名なのが「座問答」。「相模国」が成立した際に、寒川神社と川勾神社の間でどちらが一番大きな神社であるかについて論争が起こったといい、この論争の模様が儀式化され神事となって伝わったものである。神様が座る場所を表す虎の毛皮を、両神社が互いに上位に進め上座を譲らず無言の問答が三度続けられた後、比々多神社の宮司が「いずれ明年まで」と仲裁に入って神事が終わるという。
 また逢親場での「鷺の舞」は、平安貴族が高貴な人を迎える際池に舟を浮かべた上で行われていたものであり、六所神社の舞太夫家に代々伝わっていた。全国で数カ所しか残っておらず昭和の頃に一度途絶えてしまったが、同神社から中井町の神社に伝えたと言われる舞が残っており、それを教わった氏子が平成7年に復活させた。また、舟の形をした舞台での舞は全国的にも珍しい。
 ほかにも、粽の入った俵を高く放り上げ破けて出てくる餅を周りに投げる比々多神社の「粽行事」や、神輿の担ぎ手が力をつけるため「力飯」を食べる前鳥神社の「麦振舞神事」などがある。

多くの人の支えで続く
 この大きな祭礼は、3月初旬に6つの神社が集まって打ち合わせを行う「類社会議」という会合から始まり、その後各神社で様々な準備が行われる。
 迎え入れる六所神社では、祭礼前と当日の数々の神事の準備から、こまごまとした手配さらには翌日の清掃まで、祭礼が滞りなく終わるよう80人ほどの役員と経験者が中心になって支えている。神社役員を取りまとめる宮総代代表の鈴木 馨さん(82)は「よそでは立派な祭をやるところもありますが、派手なことをしなくても続けること。それが総社の使命」と力強く静かに語る。
 ここ数年は3つの神社が大神輿と白木の神輿や鉾を、他は白木の神輿を出していたが、今年は天皇陛下即位30年記念事業として6つの大神輿が一堂に会する。それを各神社に呼びかけた六所神社の柳田直継宮司は「国府祭の歴史上初めてではないか。いいお祭りにしてお祝いしようという各神社の思いが今年は特に強い」と話す。
 豪華な大神輿が集まる壮観な光景や珍しい神事を見ながら、昔の人々が作ってきた歴史の上に今の暮らしがあることに思いを馳せてみてはいかがだろうか。

◇5月5日(土・祝) 9時30分~17時、会場=六所神社と神揃山・馬場公園。麦振舞神事は10時30分頃に神揃山ふもとの畑中の斎場、粽行事は11時30分頃、座問答は正午頃にいずれも神揃山、鷺の舞は馬場公園で13時40分・15時頃(時間は全て目安)。雨天決行。◇問い合わせ=大磯町観光協会☎︎61-3300

【写真TOP】各神社の関係者や神輿の担ぎ手など数百人が集まる(大磯町観光協会提供)
【写真下】座問答(同)/鷺の舞(同)/会場の一つである神揃山
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