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大磯のみかんからアロマオイルを
大磯町商工会女性部が金融機関や大学と連携して試作品を完成

2018年3月2日UP | headline, Top

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 みかんの皮をむくと爽やかな香りが鼻に抜ける。そのみかんから、リラクゼーションや美容にも使われるアロマオイルを作ろうというプロジェクトが「マチ、カオル。Oiso」。みかんの栽培が盛んな大磯町で町商工会女性部の部員たちが中心となって始め、このたび試作品が完成した。その裏には、横浜銀行や相模女子大学(相模原市)との連携や協力があったとのことで、早ければ年内にも商品化したいという。このオイルが出来上がった経緯とプロジェクトを通じて目指すものについて聞いてみた。

 みかんで作るアロマオイルのアイデアを思いついたのは、同部部長の高橋みどりさん。自らも普段からアロマオイルを使っており、地元大磯のみかんで作れたらと漠然と思っていたという。そんな折、みかん生産者と話す中で、味の良い果実がなるように間引く作業で出る「摘果みかん」の香りがいいと聞いた高橋さん。しかし利用されずに廃棄されてしまうと知り、それなら摘果みかんを使ってはどうだろうかと考えた。
 そして平成28年8月に女性部内でこの取り組みを提案したものの、当時は「難しい」という意見が強かったという。それでも諦めなかったのは、みかん生産者からの「協力するから頑張って」との言葉があったから。アロマオイルについて調べたり、四国でゆずのオイルを作っている例を紹介するなど粘り強く呼びかけているうち、他の部員たちもまとまってきた。そして昨年7月、町内のひじかたかんきつえんで間引きされた約20kgのみかんを譲り受け冷凍保存した。

4者協定で実現に追い風
 それをオイルに加工する業者を探していた中、8月に町と商工会、中南信用金庫それに横浜銀行が、連携して創業・事業拡大の支援を行う旨の協定を締結。それを受け横浜銀行に相談を持ちかけたところ、同行の担当者が高知県四万十町の加工業者を探し出し、連絡・調整を行った。12月、送ったみかんから爽やかな香りあふれる14mlのオイルが完成し、高橋さんは「2年間の思いが製品になり本当に嬉しかった」と振り返った。
 これをどうやって商品にしていくか。検討する中で、他の香りとブレンドする案が浮上。旧吉田茂邸のバラが美しいことから、バラの香りと合わせることになった。町内でハーブとアロマの店「ハーブのじかん」を営む横山直美さんに協力を依頼し、試行錯誤の上、みかんとバラのオイルに蒸留水を加えすっきりとした香りのスプレーを試作した。

多くの人に届けるために
 商品化のためには、アロマオイルを使う側の若い女性のアイデアも必要となることから、横浜銀行は以前から接点のあった相模女子大学に協力を要請。これまで、ブレンドした香りについて学生の意見を聞くなどしてきた。先月15日のプロジェクト報告会では、学生から商品化に向け「大磯に行こうと思えるものにしたい」との意気込みが聞かれた。今後商品のネーミングやパッケージデザイン、新たな香りのブレンドについて学生にアイデアを出してもらうことを考えており、同部では、早ければ今年中の商品化を目指している。
 高橋さんは「大磯といえば海や吉田邸が有名ですが、このオイルを通して、足を延ばせば富士山が見えるみかん山もあるとPRしたい」と話していた。
 町産業観光課によれば、4者協定の枠組みを利用して新たにブランド品を創出した例はこれが初めてということで、担当者は「起業の意欲のある人がこの取り組みを知って次に続いてもらえれば」と期待を込めた。
 実際に商品となって店に並ぶまでには、量産化や販路の開拓など様々な課題が出てくる。それでも、みかんの爽やかな香りがあちらこちらで漂うような香りでの町おこしへの願いを力にして、女性部のメンバーたちは進んでいく。