PAGE TOP ▲

市民も参加し共に学ぶ博物館
日々の活動を報告 平塚市博物館で文化祭開催中

2018年2月10日UP | headline, Top

0209 1面1
 博物館は専門家がまとめた展示を見に行く場所だと思っている人が多いだろうが、平塚市博物館はそれだけではない。学芸員と共に市民が主体的に調べて学ぶ「ワーキンググループ」という活動にも力を入れる。その日頃の活動の成果を発表する「第19回博物館文化祭」が現在開催されている。中でも天体観察会の会員は、プラネタリウムの投影に挑戦。自分の好きなものに仲間と一緒に取り組んでいる人たちに話を聞いてみた。

 博物館のワーキンググループの数は現在16。市内の祭囃子を学び実際に演奏も行う「お囃子研究会」、平塚に長く住む人から昔の暮らしなどについて聞き冊子にまとめる「聞き書きの会」、古代の道具を復元しその作り方や使い方を研究・体験する「古代生活実験室」など、考古、民俗、歴史、地質、生物、天文までそのテーマは幅広い。それぞれ毎月1、2回集まり、担当する学芸員に基本的な事項や史料の扱い方を教わりながら調査・研究を行っている。

幅広い世代が集う天体観察会
 このうち約60人のメンバーが活動するのが「天体観察会」。定例会では学芸員がその時期の天文現象などについて解説するほか、観測、写真撮影、研究をテーマとするグループに分かれ会員同士で学習を行っている。
 こうして得た知識を広く知ってもらおうと、今月10日(土)に4組の会員がそれぞれ25分間のプラネタリウム投影を行う。その1人、大学で物理や宇宙を学ぶ榊原 俊さん(21)は昨年4月から同会に参加した。今回は、自分がこの1年間に撮影した天体の写真も投影。「将来はプラネタリウムを投影する仕事につきたい」と考え、学芸員から直接教わることで知識をより深めている。
 福田 遥さん(10)は、プラネタリウムが大好きで語りをやってみたいと手を挙げた。ヘラクレス座をテーマに母親の恵子さんと原稿をまとめ、それを活動歴の長い会員に見てもらって仕上げた。恵子さんは「小さな子でもサポートしてくれる大先輩がいてこんなことができるんだと見る人に感じてほしい」と話している。
 そして、そのような先輩会員たちに恵まれていることがこの会の大きな魅力だと話すのが、同じく投影を行う齊藤啓子さん。いくつもの天文サークルを見てきたが「この会には星にとても詳しい人が大勢いて話が面白く刺激になった」と言い、ここでの活動が生きがいのようになっているという。

地域博物館としての役割
 それほどまでに打ち込めるものを見つけてみたいという人には、様々な分野の基礎編とも言える「平塚学講座」がある。長く住んでいても意外と知らない地域の自然や文化について、座学と野外実習で総合的に学べる毎年開催の連続講座である。その中で参加者が興味に応じて各自で調べた内容を、今回の文化祭でも発表・報告する。ここで関心を持ったテーマを扱うグループに参加すれば、より深く学ぶことができるというわけだ。
 「神奈川キノコの会」が新種のキノコを発見するなど、この活動を通じそれまで埋もれていたことが見つかることもある。市民の側も知っていることが増えればより地元を好きになれるし、それが今後まちづくりについて考えるきっかけにもなる。文化祭を担当する藤井大地学芸員はそうした「種」がもっと眠っているはずと考え、「学芸員だけでなく市民の皆さんと一緒に探していけたら」と今後の活動に期待を込める。
 自分がさほど関心のなかったテーマでも、学芸員に直接話を聞くと興味が湧いてくることもある。ワーキンググループへの参加はそうした経験をするチャンス。その活動を気軽に見られる年に一度の文化祭、足を運んでみてはどうだろうか。


◇第19回博物館文化祭
●展示 18日(日)まで
●実演 ・天体観察会会員によるプラネタリウム投影(天体観察会)
 10日(土)15時15分~17時
・太陽黒点を見よう(天体観察会)
 11日(日)10時~12時
・太鼓をたたいて笑顔になろう
 (お囃子研究会)
 17日(土)15時~16時
●活動報告会
 (ワーキンググループから5団体)
 11日(日)13時30分~
 詳細は同館HPを参照。
●問い合わせ
 同博物館☎︎33-5111

【写真上】プラネタリウムを投影する(左から)川合さん、齊藤さん、望月さん、福田さん、榊原さん
【写真下】お囃子研究会のイベントでの演奏(平塚市博物館提供)/平塚学講座の様子(同)