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眺望で湘南平の魅力アップ
賑わい取り戻すため市職員が工夫重ね整備

2017年11月20日UP | headline, Top

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 市民の憩いの場の一つ、湘南平(高麗山公園内)。展望台に上がれば房総から伊豆、富士山まで360°の大パノラマが楽しめる数少ないスポットでありながら、特別な何かがあるわけでなく比較的空いている場所というイメージだった。それが気づくと気持ちの良い景色が広がる場所に。昨年から市の職員が作業を続け、老木など約130本を伐採。展望台でなくても海が一望できるようになり、魅力ある公園へと少しずつ変化している。

湘南平の景観を改善する取り組みが始まった一つのきっかけは、昔の写真だった。平成27年に本格的に市がシティプロモーションに取り組み始める中で、公園の整備や維持管理を行うみどり公園・水辺課は、湘南平を観光資源にできないかと参考資料を集め始めた。そして課員の渡辺航矢さんが、市史編纂室で昭和30年代に撮影された写真を発見。樹木など視界を遮るものがほとんどなく一直線に広がる水平線が見えると共に、大山や富士山も望めるなど360°のパノラマが広がっていたことが分かった。
 しかし実際には、周囲に木が生い茂り枝の間から所々海が見える程度。そこで、昔のように眺望を良くして魅力を作り直し賑わいを取り戻そうと意見がまとまった。

職員の発案で少しずつ改善
 早速、職員10人ほどの「魅力アップチーム」を作り、どうすれば眺めを良くできるか、それを来た人にどうやって楽しんでもらうか、勉強を重ねつつ議論した。
 そして昨年度は、テレビ塔に近い藤棚周辺を整備。樹木を調べると多くは植えられてから数十年経っており、中には病気にかかった木や台風などで倒れそうになるほど傷んだものも。そうした木を伐採したり高い枝を切り落としたり、また植え替えが可能な木は別の場所に移すことで、視界が大きく開けた。十分な予算が取れない中、業者への委託は高木の伐採など必要最低限にし、あとの作業は同チームのメンバーを中心とする職員で実施。公園の管理を行う現場職員と共に、普段はスーツ姿で事務を担当する職員も刈込み鋏を持ち低木の剪定などに取り組んでいる。
 今年度は主に展望台に近い南側の斜面で作業を続ける。同課の木原友生さんは「どこから見るか、視点を大事にしています」と話す。例えばレストハウス2階の「湘南平展望レストランFlat」の店内で実際に椅子に座り、どの木を伐れば江ノ島が見えるか、さらによりSNS映えする写真が撮れるかを店側とも相談したという。
 また眺望を楽しめる場所も増やした。藤棚そばには、元々あるベンチに加え、そこに座る人が海を眺めるのに邪魔にならないよう一段低いベンチを設置。自転車置き場の近くの石段は、海に向かって座れるように。職員がアイデアを出し合って、景色を見ながらゆっくりと時間を過ごしてもらうための工夫を模索している。

来園者に好評
 こうした取り組みは訪れる人たちに好評で「景色が良くなった」との声が聞かれるようになった。レストランFlatでも、今では全席から海が見えるように。店長の相原未沙さんは「お客様から『こんなに眺めが良かったんだ』と感動してもらえます」と喜ぶ。
 また眺望が改善したことで、美しい写真が撮影できるようになったという人もいる。市内の岩本正勝さん(72)は「前は写真を撮る気になれなかった」が、湘南平が変わったと聞いて撮影に通い始めた。特に昨年度旧展望台前の木が伐採され、朝日の当たる富士山が撮れるようになってからは、天候によって富士山が見えそうであれば早朝でも車を走らせるという。
 ほかにも、スマートフォン向けの写真共有アプリ「インスタグラム」に湘南平で撮影した写真が投稿されることも増えてきた。子ども連れのママやロードバイク利用者の写真も目立つようになったそうで、魅力の発信に繋がると期待される。
 とはいえ魅力アップはまだまだ途上とのことで、市では富士山や大山方向の眺望改善のため今後公園北側での伐採を進める予定。インスタ映えする写真が撮れたり景色を楽しめるスポットが増えたりと、「行きたい場所」になりつつある湘南平。今月末には木々も色づき始めるので、一度訪れてみては。


【写真TOP】
湘南平から江ノ島、三浦半島を望む
2)作業するみどり公園・水辺課の職員
3)昭和30年代の湘南平からの写真(平塚市博物館提供)
5)旧展望台からの富士山(岩本さん提供)