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もしもの時に命を救う
救命の知識を身に着ける大切さ考える

2017年9月30日UP | headline, Top

1面記事_メイン
 平塚市内に400台以上、大磯町内に97台、二宮町内に45台(※)。これは各地に設置されているAEDの数。2004年から一般市民でも使用できるようになったことから公共施設や人の出入りが多い商業施設、工場などで普及が進んでいる。「9月9日」の語呂合わせで「救急の日」が定められている9月の湘南メディアコーペレーションは「救命救急」にスポットを当てる。 ※届出があったものに限る

 AED(Automated External Defibrillator)とは日本語で自動体外式除細動器といい、心停止の際に機器が自動的に心電図を解析し、心室細動と判断された場合に除細動を行うことができる医療機器のこと。だがAEDはそれを使えば他の処置をしないでもいい“魔法の箱”ではない。AEDはあくまで心室細動状態の心臓を電気ショックにより一時的に静止させることで正常な拍動の再開を促すもので、止まった心臓を再拍動させるわけではない。市の消防署員も「心臓や呼吸が突然止まってしまった場合に最も大切なのは速やかに『心肺蘇生法』いわゆる心臓マッサージ(胸骨圧迫)と人工呼吸を施すこと」と話す。


まずどうする
 傷病者の命を救う一連の行動を「命の連鎖」と呼ぶ。これによるとまず大切なのは「予防」。生活習慣病の改善で急性心筋梗塞や脳卒中のリスクは下げられる。また、お年寄りの場合は入浴中の事故や熱中症の予防が、若者でも運動中における突然死の予防が望まれるという。ではそれでもなお、心停止、呼吸停止の疑いがある人、倒れた人を発見したらどうするか。まずは大声で応援を呼び、119番通報とAEDを手配する。そしてここから一次救命処置がスタートする。
 現在、救急車を手配して現場に到着するまでの全国平均が約8分半、平塚市内では7分20秒ほどという。仮に心臓と呼吸が止まっていたとして救急車が到着するまでの間、何もしなかった場合の救命率は約10%。だがその場に居合わせた人が心肺蘇生を行うことで救命率は約25%と倍以上にあがる。一般に心停止から15秒以内に意識がなくなり、3〜4分そのままの状態が続くと回復が困難になるという。いかにスムーズに心肺蘇生に移れるかが文字通り生死を分けることになる。

実際に体験・学習を
 ここから一次救命処置を行うわけだが、胸骨圧迫や人工呼吸、AEDの使用方法を実際に教えてもらえるのが普通救命講習会だ。平塚市では毎月9日に、大磯町や二宮町でも講習会を適宜実施しており、詳しくは行政のホームページなどで確認できる。今回取材班では実際に救命講習を受講した。救命講習については自動車教習所で行うこともあり、普通免許を持っていれば誰しも一度は経験していることになる。だが月日が経てば記憶も薄れる。また、5年ごとに講習内容も見直されるとのことで受講しておいて損になることはないはずだ。今回の講習でも「そんなこと習ったかな?」ということや「前はこう言う風に習った」というようなことも多かった。講師を務めてくれた中山 紘さんも「定期的に受講することで、知識が定着するとともに情報も更新されます」と話す。
 そういった日頃の啓発もあってか、平塚市内では心肺停止になり救急車が駆けつけたケースの年間約300のうち、200件ほどは胸骨圧迫が施されているそうだ。電気ショックまで至った件数は5件前後だがAEDも使用されているという。だが「これが100%に近づいていけば救える命も増えるのでは」と中山さん。「現在はAEDという名前は普及している。どこにあるのか、使えるのかということのほうが重要度を増してきている」と話す。
 家族や同僚、友人はもちろん、街ですれ違った誰かを助けられるのは自分かもしれない。

この記事は湘南ケーブルテレビ局(SCN)との共同企画により制作しました。湘南チャンネル(CATV002ch)で放送中の「情報カフェ! 湘南館ワイド」では、普通救命講習会の様子などをお送りします。今回の番組は10/2(月)まで放送中(12時~12時40分、19時~19時40分ほか)。