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コネクト:元工場をリノベーションした「今古今」 手仕事を大切に伝えたい

2017年7月8日UP | コネクト, コラム

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 工場として使われていた建物を改装したギャラリー「今古今」(大磯町大磯55)。こだわりの食事と共に、長く積み重ねられてきた手仕事のよさを知ってもらうことを目指している。

 築60年以上の電気部品工場だったこの建物。10数年前に廃業後そのままになっていたが、所有者の親族が「地域のために役立てたい」と申し出た。そこに関心を持った様々な職種の人が集まり、平成26年春にリノベーションがスタート。新たにキッチンを設置し、その年の11月、ギャラリーと食堂「日日食堂」が誕生した。食堂の椅子やテーブルの脚は、工場だった当時に使われていたもの。また工場の看板もさりげなく飾られるなど、店のあちらこちらに大切にしてきた人々の思いが残っているかのようである。
 その裏にあるのは「今の暮らしに古い智恵を取り入れて、今の暮らしをよりよいものに変える」という考え。スタッフの坂間洋平さんは、「自然に恵まれ落ち着いた雰囲気を持つ大磯で、これまで培われてきた智恵や経験値を大事に継承していけるような場所にしたい」と話す。
 併設されている「日日食堂」では、港で揚がった魚や無農薬のものを中心とした地場野菜を使い、素材の味を丁寧に引き出した家庭料理を提供する。そしてその料理に合う器に盛り付け、汁ものは漆椀で出す。
 そのお椀を塗っているのが、一角にある工房で作業する漆塗師・森野春彦さん。スペースの仕切りや収納棚の引き戸は、藤沢の旧家から譲り受けた建具で、趣のあるガラス越しに中の様子がよく見える。訪れる人と直接話をする中で、森野さんは器を使う人のことを考えたものづくりができるようになったという。だから、昼時には話しかけられれば対応して、手入れの仕方などを説明する。そうしてずっと使われてきた漆器を、今に繋げようとしている。

 今古今では現在、平塚出身の日本画家・武井好之さんの個展を開催中。幅9mにもなる「Uru」など、沖縄の海を日本画の枠を超えた色使いで描いた作品を中心に、24点を展示している。7月24日(月)まで。
 また今月16日(日)18時からは、平塚在住のバイオリニスト・江藤有希さんのギャラリーライブが行われる。チェロ、ギターと共に、ブラジル音楽をベースにした軽やかな音色を披露する。料金3,500円(フリードリンク・軽食付)。◇問い合わせ・予約=今古今☎71-5741(15時~21時/第1月曜日と毎週火曜日が定休日)

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