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バニューシネマパラダイス:シーン83『いぬむこいり』

映画0512
『いぬむこいり』(2016/日本)
監督・脚本:片嶋一貴 脚本:中野太 
出演:有森也実/武藤昭平/石橋蓮司/韓英恵 他 
5月13日より新宿K’sシネマ、以降、横浜ジャック&ベティなど順次公開。
 一緒に映画やるぞと誓いあいながら、片嶋監督との縁も10年近い。仏頂面の向こうに、愛くるしい破顔と厚い人情を湛えた人で、彼とは被災地でも珍道中を繰り広げた。たくさんの命を飲み喰らい、忽然として生まれた草原を前に、人の営みの呆気なさとそれでも芽吹く命の強かさを目の当たりにした。あれから6年。僕は「躍る六悪人」を書き上げ、僕なりにあの時のしっぽにしがみついたところだ。片嶋さんはその間も数々の作品で、この世であってこの世でない「叛逆のユートピア」を探し続けてきた。民間伝承の「犬婿入り」をモチーフに、有森也実演じるダメダメ中年女教師が辿る選挙と革命と戦争と犬とのロマンスに彩られた4時間超えの冒険譚は、本来あった原作を使えなくなった結果、監督の本質が否応なくひん剥かれた作品だ。だから、今回は出演もしたのかと思ったら、違った。パンク・ジャズバンド“勝手にしやがれ”の武藤昭平だった。しかし、よく似てるなぁ。
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文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。オリジナル小説『躍る六悪人』全国書店にて絶賛発売中!