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生産者と八百屋さんの知恵 次世代農業 サラダギフトで新ブランド

2010年2月19日UP
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価格競争の中、何もかもが安売りされていく。農業経営も、八百屋経営もデフレが続けば収入が見込めず、生活が出来ない。辞めてサラリーマンになれば収入も安定するだろう。しかし生産・消費のサイクルを止めていいか。俺たちがやらずに誰がやる—。
地元平塚で100年続く八百屋さんと作物にこだわりを持つ市内の若手生産者が新しい試みを始めた。彼らの企画により新たな平塚ブランドが生まれた。全国的にも珍しい食用バラやタモギダケ、少量多品目生産の野菜を一つにして商品化。
次代を担うクリエイティブ溢れる青年たちが農業の未来を描く。

「本当にいい野菜ってなんだろうって考えたんです。真っ直ぐできれいな大根や虫の寄り付かない野菜のことでしょうか。そうではないと思うんです」と語るのは今年で創業100周年を迎えた「はだのや」(市内紅谷町)店長の大庭幸多さん(35)。大庭さんは昨今見られる大量生産したものを安く売るスタイルを選択せず、別の道を模索して成功した。単純な安売りはしない。ただ高く売るわけでもない。こだわりを持って生産されたプレミアムな野菜を適正価格で店頭に並べることを考えた。スーパーや直売所と棲み分けもできる。これが伝統を持つ八百屋さんの活路となった。

いい表情の野菜を作る

大庭さんは八百屋という立場で多くの野菜を客観的に見てきた。野菜の良し悪しを見抜くのはお手の物。「いい表情の野菜があるんです」と笑顔で見つめる野菜は、大場さんが出会って意気投合した生産者が作った。
「見た目は悪いけど味は良い」と味にこだわりを持つのは、てるてる農園(市内南金目)の臼井照彦さん(42)。少量多品目生産で多種の野菜を育てる。
食用バラを育てる横田園芸(市内城所)の横田敬一さん(44)は「全国で5戸だけ。神奈川だとうちだけです」と誇りを持つ。
同様に「神奈川ではまずやってない」として珍しいタモギダケを育てる小宮園芸(市内横内)の小宮貴之さん(36)。北海道では一般的な食用キノコで、美肌効果があるとのこと。
それぞれ作物で個性を出し、アイデンティティーを確立する若き生産者たち。農業の現状を見つめ、農業の未来を見据える。新しい道を探求し、こだわりを持って野菜を作る。農業というフィールドでクリエイティブを発揮する彼らが結集し、一つのブランドが完成した。

独創性で一歩抜け出す

4人がアイディアを出し合った中で、野菜を花束のような感覚で贈れないかという案が挙がり、サラダギフトが生まれた。各農園の自慢の作物を盛り籠に入れて販売し、発送も行う。現時点では3農園だが、同じ考えを持つ生産者がいれば参画してもらう。ブランド名は『はだのや’s』。「皆さんが大事に作った野菜を、どう表現するかが八百屋の仕事」と大庭さんは自信を持って世に送り出す。友人が来るときはおもてなしとして、訪ねるときは手土産として、見て楽しい、食べて美味しい存在を目指す。
大庭さんは夢を描く。「個人的な妄想ですけど、将来的には平塚を離れて巣立っていった子どもに送ってほしい。おばあさんが都会の息子を想って泥付きのままの野菜を送るんです。平塚で育った野菜を—」。
平塚オリジナル。農業の明日を想う青年たちが平塚ブランドを発信し、地産地消のサイクルを広げようと汗を流す。不景気な世の中でも農業で十分に生活が成り立つことが認知されれば、次世代の育成にも繋がる。その実現のため、彼らは様々な企画を練り、今後も新しいムーブメントを生産し続ける。

クリエイティブな生産者が結集
アイディアが尽きない4人。農業の未来について夢を語り合う。


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大庭幸多さん

100219_kiji_c7 横田敬一さん
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小宮貴之さん
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臼井照彦さん

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サラダギフト『はだのや’S』